STUDIOとWebflowを徹底比較:自分に最適なツールの選び方

現在Webサイトの作成において、ノーコードツールは広く普及しています。効率的にWebサイトを構築・管理するためには、自身のスキルや目的に合ったノーコードツールを選ぶことが重要です。
今回の記事では、Webデザイン向けのノーコードツール「STUDIO」と「Webflow」を様々な視点から比較します。自分に最適なツールを見つけて、理想のWebサイトを構築しましょう。
STUDIOとWebflowの価格比較
Webflowは米ドル建ての料金で、月額費用はやや高めです。最も安いBasicプランは約12~14ドル/月程度からで、1ドル150円換算だと月額約1,500~2,100円ほどになります。

引用元:Plans & pricing | Webflow
例えば、WebflowのBasicプランは、年払いでも月額約2,100円の計算になります。無料プランでは2つのプロジェクトを作成できます。CMSコンテンツの作成、フォーム送信はともに50件まで可能です。

引用元:料金プラン | Studio
STUDIOは日本円の料金で、比較的リーズナブルな価格設定です。個人や小規模事業者向けのプランが用意されており、最も安い有料プランでは月額590円からサイト運営が可能です。パーソナルプランでは最大150ページのサイトを月額1,190円で作成できます。
STUDIOは、無料プランも充実しており、一部制限もありますが、CMSコンテンツが最大100ページ作成可能でお問い合わせフォームなども利用できます。総じて、月額費用はSTUDIOの方が安価で、Webflowは高機能な分だけ割高と言えます。
どちらのツールも無料プランがありますが、独自ドメインの使用には有料プラン契約が必要です。また、Webflowは年間契約で月あたり料金が割安になります。
STUDIOとWebflowの利便性の比較
初心者やノーコードユーザーにとっての使いやすさでは、STUDIOが優れています。STUDIOは、2016年生まれの日本製ツールで、インターフェースやヘルプがすべて日本語対応です。ドラッグ&ドロップ中心の直感的な操作でコンテンツを配置できるため、初めてでも感覚的に扱いやすく、説明書を読めば誰でも使いこなしやすいでしょう。

一方、Webflowはメニューやドキュメントが英語表記である上、機能が豊富なため習得に一定の学習コストがかかります。HTML/CSSの基礎知識がない全くの初心者にはやや難しく、英語が苦手な場合は特に戸惑う可能性があります。実際のところ、Webflowは「初心者向け」というより「中級者向け」のツールと言われており、Webデザインやコーディングの経験者に向いています。

開発者やデザイナーにとっての使いやすさという観点では、Webflowはプロ仕様の機能が充実しています。例えば、クラス管理やFlexbox/GridレイアウトなどをGUI上で操作できるため、コードを書かずに細かなレイアウト調整が可能です。
このように、Webflowは実質的に「視覚的なコーディングツール」であり、HTML/CSSの概念を理解しているとその強みを最大限活かせます。逆に言えば知識がないと機能が多すぎて混乱することもあるため、デザイン経験者には痒い所に手が届くが、未経験者には難しいツールです。
一方、STUDIOは技術知識不要で扱えるよう設計されており、ユーザーがコードやクラスを意識せずともデザイン可能です。その分高度なカスタマイズには制限がありますが、ノーコードでも分かりやすさを重視した設計になっています。
まとめると、手軽さ重視の初心者にはSTUDIO、多少の技術知識があり凝ったサイトを作りたい人にはWebflowが向いています。
STUDIOとWebflowのサポート充実度比較
サポート面でも違いがあります。Webflowはグローバルに利用者が多く英語の情報やコミュニティは豊富ですが、日本語での公式サポートや情報が少ない点が初心者にはハードルになります。

引用元:Announcements - Forum | Webflow
対照的にSTUDIOは日本語サポートが充実しており、有料プランですが有人チャットサポート、公式ガイド、YouTube解説動画、ユーザーコミュニティなど複数のサポートチャネルがあります。日本語で質問や問題解決ができる安心感は、特に初心者にとって大きなメリットです。

引用元:Studio Help
STUDIOとWebflowのデザインの自由度比較
デザインの自由度は、Webflowの方が高いと言えます。Webflowは、まさにピクセル単位でのデザイン調整が可能なノーコードツールで、要素のレイアウトからタイポグラフィ、カラー、余白に至るまで細かく設定できます。
高度なアニメーションやインタラクションもGUI上で簡単に実装でき、例えば、スクロール時のアニメーションやパララックス効果など多彩な演出が可能です。このように「細部までこだわったデザイン」を再現するにはWebflowが適しています。
Webflowでは、HTMLとCSSのコードを直接編集することもできるため、コーディング知識があればデザインの自由度は無制限に近いです。

STUDIOもデザインに強みがあるツールで、テンプレートやデザイン要素が豊富に用意されており、直感的な操作で美しいサイトを作成可能です。フォントや色、基本的なアニメーション効果を組み合わせてオリジナルのデザインを作ることができます。レスポンシブデザインにも標準対応しており、作成したサイトは自動でスマホやタブレット表示に適応されます。
しかし、カスタマイズ性の上限に違いがあります。STUDIOは基本的なカスタマイズはできますが、実装できる演出は限定的で、凝った動きを付けたい場合は物足りなく感じる可能性があります。
一方、Webflowは高度なカスタマイズが可能ですが、その分シンプルなサイトにはオーバースペックになり得ます。つまり、「最低限の飾り付けで十分」というサイトであればSTUDIOでも事足りますが、細かな装飾や独自の演出まで突き詰めたいならWebflowが適しています。
その他、テンプレートの数も違いがあり、Webflowは、1,000種類以上のテンプレートを提供しており、様々な業種・スタイルのデザインから選べます。

引用元:Portfolio & Agency Website Templates & Page Designs | Webflow
一方、STUDIOのテンプレート数は約40種類程度と少なめですが、その質は高く日本のビジネスサイトにマッチしやすいデザインが揃っています。画像やテキストを差し替えるだけでも完成度の高いサイトデザインになります。テンプレートを活用する場合、数のWebflow、質のSTUDIOという傾向です。

引用元:無料テンプレート | Studio Store
とことん自由なデザイン表現を追求したいならWebflow、テンプレート活用で手早く洗練されたデザインを得たいならSTUDIOを選ぶのが良いと言えます。
STUDIOとWebflowのパフォーマンス比較
Webサイトの表示速度や動作のパフォーマンス面では、Webflowは非常に優秀です。Webflowは自社ホスティングに超高速なCDNを採用しており、プラグイン不要で動作するため無駄な読み込みが少なく、デフォルト状態で高速表示が実現されています。
Webflowで構築したサイトは読み込み速度が速く、これはSEO的にもとても有利です。Googleは表示速度が遅いサイトにペナルティを課すこともあるため、Webflowの高速環境は検索順位向上にも寄与します。
また、Webflowは画像の自動最適化やコードの圧縮などのパフォーマンス改善の仕組みが組み込まれており、大規模なプラグイン調整をせずとも良好な速度が得られる設計です。
STUDIOも高パフォーマンスなサイト構築は可能ですが、Webflowと比較するとユーザー自身が最適化を意識する場面があります。デザインの仕方によって速度に影響を受けることが示唆されています。
しかし、適切に作り込めばSTUDIOサイトでも高速表示は可能です。ただし、非常に要素数が多い凝ったページや大量の高解像度画像を含むページでは、STUDIOでは読み込みがやや重くなるケースもあります。そのため、STUDIO利用時は画像サイズを圧縮する・不要なアニメーションを減らす等の手動での最適化が推奨されます。
いずれのツールも自社のクラウド基盤でホスティングされ、サーバー管理やCDN設定はプラットフォーム側で行われます。従って、ユーザーは細かなサーバーチューニングを意識せずとも比較的高速なサイト配信が可能です。総合的に見ると、最高のパフォーマンスを求めるならWebflow優位ですが、STUDIOも適切に使えば十分高速なサイトを提供可能です。
STUDIOとWebflowのSEO機能比較
SEO機能に関して、Webflowは非常に充実しています。Webflowは、ページごとにタイトルやメタディスクリプションの設定、見出し階層の管理、画像の代替テキスト設定など基本的なSEO設定が網羅されています。
さらに、自動でサイトマップ(XML)を生成したり、301リダイレクト設定、構造化データの埋め込み(カスタムコード利用)といった高度なSEO施策にも対応可能です。
公式にも「WebflowはSEO対策の機能が豊富」と謳われており、適切に使えば検索エンジンで上位表示されやすいサイトを簡単に作成できます。実際、Webflowのメリットの一つとしてSEOの強さが挙げられており、検索エンジン対策に本格的に取り組みたいサイトにも向いています。

STUDIOも基本的なSEO設定は可能です。各ページのタイトルやディスクリプション、OGP画像設定はもちろん、Google検索コンソールやGoogleアナリティクスとの連携機能も備えています。
サイトマップの作成・送信もサポートされており、ノーコードツールだからSEOができないということはありません。実際にSTUDIOで可能な具体的SEO対策として、ページ毎の適切な設定、Google Search ConsoleやAnalytics連携、サイトマップ送信など複数の方法があります。これらを活用しコンテンツの質を高めれば、STUDIOサイトでも十分に上位表示は狙えます。
高度なSEO施策が必要な場合、Webflowではカスタムコード挿入で対応できるのに対し、STUDIOでは対応が難しい場合があります。また、多言語対応のサイト構築なども、Webflowは外部ツール連携で実現例がありますが、STUDIOでは標準機能として想定されていません。
このように、一般的なSEO対策は両者とも可能ですが、高度で特殊なSEO要件にはWebflowの方が柔軟と言えるでしょう。
その他の特徴・独自機能
WebflowとSTUDIOは、ホームページ構築を劇的に効率化する、独自の機能で溢れています。
Webflowの独自機能
- CMS機能:ブログやポートフォリオなどの動的コンテンツを簡単に管理・更新が可能です。コレクション機能やAPI連携により、外部サービスとの連携やカスタムアプリからのデータ更新も行うことができます。
- Eコマース機能:商品登録、決済、在庫・注文管理などEC機能が利用でき、小〜中規模のオンラインストアをWebflowだけで構築可能です。
STUDIOのその他特徴
- 共同編集機能:チームメンバーを招待し、複数人で同時にサイトが編集できます。リアルタイムでの反映やフィードバックもでき、チーム作業に最適です。
- 素材の提供:商用利用可能なフリー写真やアイコン素材を豊富に用意しているため、サイト制作を効率よく行えます。
STUDIOとWebflowのメリット・デメリットの比較
WebflowとSTUDIOは、どちらも優れたウェブサイト構築ツールですが、それぞれに特徴があります。最適なツールを選ぶための参考にしてください。
Webflowのメリット
- プロ仕様の高度なデザイン機能:高度なデザインやインタラクティブなサイト構築が可能
- コードのエクスポート機能:HTML/CSSコードのエクスポートで、柔軟なカスタマイズと既存システム連携が可能
- SEO最適化機能が充実:検索エンジン最適化に力を入れている
Webflowのデメリット
- 学習コストが高い:学習コストが高く、操作方法や機能理解に時間を要する可能性がある
- 日本語対応が不十分:日本語情報が少なく、サポートや情報入手が困難な場合がある
STUDIOのメリット
- 直感的な操作性と日本語対応:Web制作初心者でも迅速にサイト構築が可能
- 高品質な日本市場向けテンプレート:テンプレートが充実しており、すぐに使えるデザインを提供
- 手厚い国内サポートとコミュニティ:国内向けサポート体制が充実し、初心者も安心できる環境
STUDIOのデメリット
- コードの編集・エクスポートができない:高度なカスタマイズや外部システム連携は難しい
- カスタマイズの自由度がやや制限される:ドラッグ&ドロップ中心のため、高度なデザイン調整や特殊な機能実装は制限される
まとめ
STUDIOとWebflowは、それぞれ異なる強みを持つノーコードWebサイト作成ツールです。コスト面や直感的な操作性を重視する初心者や小規模事業者には、日本語対応が充実したSTUDIOが適しています。
一方、より細かなデザイン調整や高機能なCMS、グローバル向けのサイト構築を求める場合は、Webflowが強力な選択肢となります。

自身の目的や予算、スキルレベルに合ったツールを選ぶことが、理想のWebサイトを作る近道です。自分に最適なツールを使って効果的なWebサイトを作成しましょう。