WordPress一強時代の終わり?Webflowが「次の標準」になりつつある理由

Daisuke K
マーケター、CMO
Webflow構築

ここ10年以上、「とりあえずWordPressで」という流れが企業サイト・オウンドメディアの主流でした。実際、WordPressは世界のCMS市場でも長らく圧倒的なシェアを占めてきました。

一方で、最近の動きを見ると状況が変わりつつあります。SEO TIMESの記事でも指摘されているように、WordPressの代わりに「SaaS型・ノーコード系」のツールがじわじわシェアを伸ばしています。特にWebflowのような「ノーコード+ホスティング一体型」のサービスは、エンジニア不足やセキュリティ負担の高まり、マーケ組織のスピード要求の高まりの中で、急速に採用が広がっているようです。

この記事では、WordPressとWebflowを比較しながら、

  • なぜ今、Webflowを選ぶ企業が増えているのか
  • どんなケースでWebflowが「正解」になりやすいのか

を解説していきます。

※30秒で記事内容が知りたい方はこちらの画像をご覧ください。

WordPressとWebflowの本質的な違い

キーワードは「誰がセキュリティと管理をやるのか?」

同じ「サイトを作るツール」でも、WordPressとWebflowはまったく違います。

  • WordPress: ソフトウェア(CMS)を自前サーバーにインストールする「自社管理型」
  • Webflow: デザインツール+CMS+ホスティングが一体化した「フルマネージド型」

これをイメージしやすくすると、次のような比喩になります。

  • WordPressは「持ち家(戸建て)」
  • Webflowは「管理人がいる高級マンション」

WordPressは「持ち家(戸建て)」型

以下が持ち家に例えた場合のWordPressの特徴です。

サーバー、ドメイン、WordPress本体、テーマ、プラグインなど、家の基礎から内装まで自由にカスタマイズできる一方で、以下のことを全て自分でする必要があります。

  • 修繕(PHPやWordPress本体・プラグインのアップデート)
  • 戸締まり(セキュリティパッチ・WAF・バックアップ)
  • 設備更新(PHPのバージョンアップ、対応していないテーマの修正)など

「セキュリティに差はない」という議論もありますが、それはあくまで「常にアップデートと監視をし続けていること」が前提条件です。

セキュリティ体制の整備が追いつかずに放置されているケースが少なくありません。

Webflowは「管理人付きの高級マンション」型

マンションに例えた場合のWebflowの特徴です。

サーバー・CDN・SSL・セキュリティパッチ・インフラ運用はすべてWebflow側が担当のため、利用者は以下のことに集中できます。

  • 部屋の中(デザイン・コンテンツ・コピー)
  • 住み方(情報設計・ABテスト)

「鍵を閉め忘れてないか」「屋根が雨漏りしてないか」を気にしなくていい、という精神的な楽さと安全性は、長期運用を考えると非常に大きなメリットです。

Webflowを選ぶ具体的なメリット

Webflowを選ぶ主なメリットを3つご紹介します。

メリット1. 「見たまま編集」ができる直感的な使いやすさ

WordPressは「管理画面」と「実際のページ」を行き来する必要がありますが、Webflowは「エディター機能」という機能があります。「Editor(編集)」画面は非常にシンプルで、実際のホームページの画面を直接クリックして、文字や画像をその場で書き換えることができるのが特徴です。

専門知識のないご担当者様でも、「直感的に」日々の更新作業を行うことが可能です。

メリット2. セキュリティと管理コストの削減

WordPressは「プラグイン」という拡張機能を多用するため、これらの更新作業や不具合対応(いわゆる「プラグイン地獄」)が運用担当者の大きな負担となります。

一方、Webflowはシステム管理・セキュリティ対策・サーバー管理のすべてをWebflow社

が自動で行います。

自動で常に最新・強固なセキュリティが保たれるため、長期的な管理コストの削減につながるのも大きなメリットでしょう。

メリット3. グローバル展開に強い

もし将来的に「日米HPの統一」をご検討されるのであれば、Webflowが便利です。

世界中に配信拠点を持つサーバーのため、特別な設定をしなくても、世界のどこからアクセスしても高速で表示されます。

またデザインの自由度が高いので、海外のトレンドを取り入れたブランディングサイトを構築しやすいのも特徴です。

Webflowを採用している海外の有名企業

実際にWebflowでマーケティングサイトやブランドサイトを構築している企業の例です。各社のメインサイトのHTMLソースコードを確認し、Webflowで構築されていることを検証しました。

企業名 業種 URL
Discord 米国 コミュニケーションプラットフォーム https://www.discord.com/
IDEO 米国 デザイン・イノベーション企業 https://www.ideo.com/
Lattice 米国 人材管理プラットフォーム https://lattice.com/
Mural 米国 ビジュアルコラボレーションツール https://www.mural.co/
Dropbox Sign
(旧 HelloSign)
米国 電子署名サービス https://www.dropboxsign.com/
O.C. Tanner 米国 従業員認識プログラム https://www.octanner.com/
Formstack 米国 オンラインフォームビルダー https://www.formstack.com/
Claris 米国 ソフトウェア開発企業 https://www.claris.com/
NCR Corporation 米国 ATM・POSシステム製造 https://www.ncr.com/

ポイントは、「本体サービスは別技術だが、マーケティングサイトはWebflowで高速に回している」という使われ方が非常に多いことです。

参考: Webflow公式カスタマーページ

Webflowを採用している日本企業の事例

日本企業でもWebflowの採用が広がっています。

企業名 サイト種別 URL 備考
リコー(RICOH360 Blog) ブログサイト https://blog.ricoh360.com/ja 元WordPressからWebflowに移行。多言語対応の大規模サイト
オルビス ビジョンサイト https://2029.orbis.co.jp/ 2022年公開の「Portal to the Future」
ニジボックス コーポレートサイト https://www.nijibox.jp/ Webflow導入後、ノンエンジニアでの運用が可能に
Booko サービスサイト https://www.booko.co.jp/ 誰でも簡単に本が作れるサービス
NOLUC コーポレートサイト https://www.noluc.jp/ ブランディング・クリエイティブ企業
E-THREE コーポレートサイト https://www.ethree.tokyo/ ブランディングを軸としたマーケティングエージェンシー
フォースタートアップス イベントサイト https://gric.forstartups.com/ 「成長産業カンファレンス」2024年版サイト

特徴的なのは、WordPressからWebflowに移行した企業や、ノンエンジニアでの運用を実現した企業が多いことです。

どちらを選ぶべきか?まとめ

すでにWordPressを使用している企業や、これからWebサイトを構築したい企業にとって、どちらが最適か、代表的なケースをまとめました。

WordPress
  • 現在のサーバー契約を変更したくない場合
  • 「今まで通りのやり方」を重視したい場合
  • 社内にWordPressエンジニアが常駐している場合
Webflow
  • サーバー管理やセキュリティ更新の手間を減らしたい場合
  • 日米統一など、グローバル基準の高品質なサイトを目指す場合

おわりに:2025年以降、「とりあえずWordPress」から卒業する

WordPressは今でも強力なCMSであり、正しく運用すれば高いパフォーマンスと拡張性を発揮します。一方で市場全体のトレンドとしては、WordPressのシェアは下り坂気味で、ノーコード/SaaS型ツールが、シェアを伸ばしている傾向です。

特に、「セキュリティやインフラのことは極力考えたくない。コンテンツと体験づくりに集中したい」という企業にとって、Webflowは非常に相性の良いプラットフォームです。

「サーバーやプラグイン保守から解放されたい」「担当者が自分でページを更新できる環境を作りたい」「海外を見据えたブランドサイトを作りたい」といったニーズがある方は、ぜひWebflowも検討してみてください。

この記事を監修した人
Daisuke K
マーケター、CMO
2021年にCMOとしてIGNITEのへの参加を果たした。以前からマーケティング業界での勤務経験を有し、IGNITEでは海外市場向けのマーケティング戦略を展開している。あらゆる国や地域からの、BtoB、BtoC案件を総監し、海外進出を検討する日本国内の企業から、日本への参入を希望する海外企業までのサポートを行っている。
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