WordPressとWebflowの違いとは?
近年、ウェブサイト制作の選択肢はますます多様化しています。その中でも、WordPressとWebflowは人気のプラットフォームとして注目を集めています。この記事では、これらのツールを徹底的に比較し、コア機能、SEO対策、価格、セキュリティ、ユーザビリティなどの観点から、それぞれの特徴を明らかにします。さらに、ユースケース別の使い分けについてもアドバイスを提供します。
WordPressとWebflowについて
まず、WordPressとWebflowの違いについて、解説する前に、それぞれどのようなプラットフォームなのか、基礎的な概要をお伝えします。
WordPressとは?
Wordpressは、2003年に開発された、無料で利用できるオープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)です。CMSとは、ウェブサイトのコンテンツを管理するためのシステムであり、CMSを利用することで手軽にウェブサイトを作成、運用することが可能になります。
CMSにも様々な種類がありますが、その中でもWordpressは世界で最も人気のあるCMSの一つで、個人や企業、組織など、あらゆる国の多くのユーザーに利用されています。また、インターネット上の全ウェブサイトの43%がWordpressを利用しており、CMS市場では、WordPressが63.1%のシェアを占めています。
参考元:How Many Websites Use WordPress? - Statistics
Webflowとは?
Webflowは、ユーザーがコードを書かずにウェブサイトを設計、構築できるようにする、いわゆるノーコードツールであり、ウェブデザインおよびウェブ開発を行うことできるプラットフォームです。理解しやすいインターフェイスとアクセスしやすいツールを提供することで、ウェブ開発者やデザイナーだけでなく、コードの知識がない人でもプロフェッショナルで高品質なウェブサイトを作成できることがWebflowの魅力です。
以下の図は、他の主要なコンテンツ管理システムと比較し、Webflowの市場での人気度とトラフィックの位置づけを示した図になっています。Webflowは、比較的少ないサイトで使用されていますが、高トラフィックサイトでの利用が多いことが分かります。
参考元:Usage Statistics and Market Share of Webflow, April 2024
つまり、Webflowが高トラフィックのウェブサイトに人気があり、商業サイトや企業向けのプロジェクトなど、規模の大きいウェブサイトでよく使われている可能性が高いことが予想されます。
実際に、パソコンなどの電気機器の開発を行っているアメリカの企業であるDellもWebflowを導入しており、現在、WebflowはCMS市場において、シェア率は1%以下ではありますが、今後ニーズが高まっていくことが考えられます。
WordPressとWebflowの違い
では、ここからは実際にWordPressとWebflowはどのような点が異なるのか、コア機能やSEO対策の違い、セキュリティー面など、様々な側面から比較してみましょう。
1.コア機能の違い
まず、WordPressとWebflowは根本的なアプローチの点で大きく異なります。
▼WordPress
WordPressは、オープンソースのCMSとして広く認知されており、特にブログや記事投稿を中心に機能を提供しています。このプラットフォームでは、ユーザーがテキスト中心のコンテンツを効率的に管理できるように設計されており、記事の投稿、編集、カテゴリー分け、タグ付け、コメント管理などの機能が標準で搭載されています。
さらに、WordPressの最大の特徴はその拡張性であり、50,000以上のプラグインを通じてサイトの機能を自由に追加またはカスタマイズすることが可能です。これにより、電子商取引、SEO対策、フォーム作成など、幅広いニーズに対応可能です。
▼Webflow
Webflowは、ノーコードツールとして近年注目されており、コーディングの知識がなくても、視覚的なインターフェースを通じて直感的にデザイン作業を行うことが特徴です。Webflowはデザインとコーディングを統合したアプローチを採っており、細かいデザイン調整を行いながらも、HTMLやCSSのコードを直接触ることなくウェブサイトを構築できます。レスポンシブデザインにも標準で対応しており、様々なデバイスで適切に表示されるサイトを容易に作成可能です。
また、Webflowはプラグインの概念がなく、プラットフォームが提供する機能や組み込みのオプションを利用してウェブサイトを構築することが可能です。
2.SEO対策の違い
SEO対策は、ウェブサイトの成功に欠かせない要素です。両プラットフォームのSEO対策機能には、どのような違いがあるのでしょうか?
▼WordPress
WordPressで本格的なSEO対策を行うには、Yoast SEOやRank Mathなどの有名なSEOプラグインを利用することが推奨されています。これらのプラグインは強力な機能を提供しますが、細かな設定が必要な場合があり、サイトの表示速度が落ちるなどのデメリットも存在します。
【Yoast SEO】
参考元:https://yoast.com/
【Rank Math】
参考元:https://rankmath.com/
▼Webflow
Webflowは、プラグインに頼らずともSEOに必要な機能を備えています。ページごとのメタタグ設定、Altタグの設定、OGP設定など、基本的なSEO対策が簡単に行えます。専門的なスキルがない方でも、SEO対策を強化しやすいと言えるでしょう。
3.価格体系の違い
次に、気になる価格体系について見ていきましょう。
▼WordPress
WordPress自体は無料で利用できます。ただし、レンタルサーバーとドメインの費用が別途必要となります。また、プラグインには有料のものもあり、結果的に費用がかさむ可能性があります。
▼Webflow
Webflowは、無料プランと有料のサブスクリプションプランを提供しています。無料プランでも十分な機能が提供されますが、独自ドメインやフォーム機能など、より高度な機能を利用するには有料プランへのアップグレードが必要となります。有料プランを利用することで、コストは発生しますが、高品質なウェブサイト構築を希望する場合は、有料プランを選択することがおすすめです。
参考元:https://webflow.com/pricing
4.セキュリティとメンテナンス
セキュリティとメンテナンスの面では、どのような違いがあるのでしょうか?
▼WordPress
WordPressでは、プラグインやテーマを定期的にアップデートする必要があります。セキュリティパッチが含まれていることがあり、アップデートを怠るとセキュリティ上のリスクが生じる可能性があります。また、サーバーのセキュリティ対策も自己責任となります。
▼Webflow
Webflowは、プラグインを使用しないため、プラグイン由来の脆弱性の心配がありません。サーバーもWebflowが管理しているので、セキュリティ面での運用負荷が軽減されます。ユーザー側で、SSO(シングルサインオン)の設定を行いアカウント保護することは推奨されていますが、その他の対策を行わずとも、基本的なセキュリティ面は問題ないと言えるでしょう。
5.バックアップの違い
バックアップ機能についても比較してみましょう。
▼WordPress
WordPressでバックアップを取る方法は、プラグイン(UpdraftPlusやBackupBuddyなど)を使う、自動バックアップを提供するホスティングプロバイダを利用する、あるいはFTPクライアントを使用してサイトファイルを手動でダウンロードするなどの方法があります。ただし、どの方法でも定期的な実行とデータの安全な保管が重要です。
▼Webflow
Webflowは、Webデザインやプロジェクトを自動的にバックアップする機能を提供しています。ただし、何か大きな変更を加える前には、手動でバックアップを保存しておくことをおすすめします。例えば、デザインを変更する場合、新しいSEOタイトルをテストする場合、またはプロジェクトに更新を加える場合などが挙げられます。
MacではCommand-Shift-S、WindowsではControl-Shift-Sで、手動でバックアップを保存できます。名前をつけて保存すれば、簡単に復元することが可能です。
こうしたバックアップ機能があることで、安心してプロジェクトに取り組むことができます。仮に、問題が発生した場合も、Webflowの設定からバックアップの一覧にアクセスし、以前の状態に戻すことができることも可能です。自動バックアップと手動バックアップを組み合わせることで、プロジェクトの安全性を高めることができます。
6.ユーザビリティの高さ
続いては、使いやすさと学習のしやすさについて比較してみましょう。
▼WordPress
WordPressは、ブログ執筆に特化した管理画面を持ち、記事の投稿はスムーズです。一方、サイトのデザイン変更やテーマのカスタマイズには、HTML/CSSの知識が必要となる場合があります。
▼Webflow
Webflowの管理画面はマーケターやビジネスオーナーでも扱いやすくなっています。ビジュアルエディターを使用して、直感的にサイトデザインを変更できます。高度なプログラミング知識がなくても基本的な操作は可能です。
またWebflowは、Webflow Universityというサイト構築のコースやチュートリアルなど、豊富な学習リソースを提供しています。
参考元:https://university.webflow.com/
Webflow のインターフェースは、よく使う機能にすばやくアクセスできるコンパクトなデザインですが、初心者には複雑に感じられる場合があります。しかし、Webflow Universityを活用することで、インターフェースにおける基礎的な操作が理解しやすくなるため、知識のない方でも扱いやすいと言えるでしょう。
7.多言語サイト構築
多言語サイトを構築する場合、両プラットフォームにはどのような違いがあるのか見ていきましょう。
▼WordPress
WordPressで多言語サイトを構築するには、無料のプラグインであればPolylang、有料のものであればWPMLなどのプラグインが必要となります。これらのプラグインを使用することで多言語化は可能ですが、翻訳の確認や修正に手間がかかる可能性があります。
▼Webflow
Webflowは最初から多言語対応機能を備えています。各言語のページを個別に作成でき、SEOに適したドメインやURL構造を自動生成が可能です。構築の手間が大幅に削減できます。
ただし有料プランに登録する必要があり、無料プランでは多言語対応の機能を使用できないため、注意が必要です。最も安価なプランで、年払いの場合、月々9米ドル(日本円で約1400円)、月払いの場合12米ドル(日本円で約1860円)となります。海外向けのメディア構築を検討中の方にとっては、多言語展開は必須となるため、有料プランを使用することをおすすめします。
(1ドル=155円で計算。2024年5月20日12時時点。)
参考元:https://webflow.com/localization
結論:目的とリソースに合ったCMSを選択しましょう
WordPressとWebflowは、どちらも優れたウェブサイト制作プラットフォームです。しかし、それぞれに異なる特徴があり、向き不向きがあります。サイトの目的、リソース、予算などを考慮して、最適なプラットフォームを選択しましょう。迷った場合は、無料で試せるWebflowから始めてみるのも一つの方法です。ノーコードツールであることから、専門知識がない方でも導入できるため、おすすめです。弊社ではWebflowに関する様々なサービスを提供しております。Webflowの運用に不安や疑問がある方は一度気軽に弊社へご相談ください。